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歩いてゆけない、隣
私の学校には履修制限というものがある。
講義室のキャパシティは限りがあるので
人気のある講義は抽選に当選しないと受講登録できない。
そこで人気講義にはこの履修制限がかけられるのだ。
私はその手続きをしようと事務に寄った。
手続きはカウンターの上に置かれた名簿に記名し
後日の合否結果連絡を待つというだけの簡単なものだ。
さっさと書いて下宿に戻って本でも読もうと私が名前を書いているとき、
ふと私の左0.8馬身ほど離れた場所に人の気配を感じた。
何も登録用名簿は今私が記入しているものだけではないので
隣で他の希望者が学を追求する為に願いを込めていても何ら不思議ではない。
しかし視界の端に捉えたその容姿に思わず私はそちらを見た。
肩に少しかかる長さのまっすぐな黒髪。
叡智を感じさせる黒縁細めの眼鏡。
頭の先までピンと伸びた立ち姿。
STUがいた。
彼女だと思った。
しかし彼女がここにいるはずはないのだ。
「君は私の小学校来の友人にとてもよく似ている」
気がつくと私は彼女に声をかけていた。
彼女は刹那、驚いた表情で私を見たが
すぐに名簿への記名という行為の為、顔を紙へ戻した。
「…それも、良いのかもしれない」
彼女が小さく呟いた言葉は周囲の喧噪をミュートにして私の耳に届いた。
「どういうこと?」
彼女は答えない。
ただ、仄かな微笑みをその口元に湛えるばかり。
講義室のキャパシティは限りがあるので
人気のある講義は抽選に当選しないと受講登録できない。
そこで人気講義にはこの履修制限がかけられるのだ。
私はその手続きをしようと事務に寄った。
手続きはカウンターの上に置かれた名簿に記名し
後日の合否結果連絡を待つというだけの簡単なものだ。
さっさと書いて下宿に戻って本でも読もうと私が名前を書いているとき、
ふと私の左0.8馬身ほど離れた場所に人の気配を感じた。
何も登録用名簿は今私が記入しているものだけではないので
隣で他の希望者が学を追求する為に願いを込めていても何ら不思議ではない。
しかし視界の端に捉えたその容姿に思わず私はそちらを見た。
肩に少しかかる長さのまっすぐな黒髪。
叡智を感じさせる黒縁細めの眼鏡。
頭の先までピンと伸びた立ち姿。
STUがいた。
彼女だと思った。
しかし彼女がここにいるはずはないのだ。
「君は私の小学校来の友人にとてもよく似ている」
気がつくと私は彼女に声をかけていた。
彼女は刹那、驚いた表情で私を見たが
すぐに名簿への記名という行為の為、顔を紙へ戻した。
「…それも、良いのかもしれない」
彼女が小さく呟いた言葉は周囲の喧噪をミュートにして私の耳に届いた。
「どういうこと?」
彼女は答えない。
ただ、仄かな微笑みをその口元に湛えるばかり。
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